急性骨髄性白血病
急性骨髄性白血病

血液内科で診療する病気
急性骨髄性白血病

急性骨髄性白血病(AML)の治療について

急性骨髄性白血病(AML)は、血液のもとになる細胞ががん化し、急激に増殖してしまう病気です。病気の進行が早いため、診断後は速やかに治療を開始する必要があります。
「白血病の治療」と聞くと不安に思われるかもしれませんが、現在では医療の進歩により、多くの治療選択肢があります。ここでは、AMLの基本的な治療の流れについて分かりやすく解説します。

治療の大きな目標:「寛解」と「治癒」

治療の第一歩は、体の中にある白血病細胞を薬で極限まで減らし、正常な血液が作られる状態を取り戻すことです。この状態を「寛解」と呼びます。
そして、寛解の状態を維持し、最終的に白血病細胞を完全にゼロにして病気を治しきる「治癒」を目指します。

基本的な治療の流れ

AMLの治療は、主に抗がん剤を用いた「化学療法」と「同種造血肝細胞移植」が中心となります。大きく分けて2つのステップで進められます。

1. 寛解導入療法

目的

まずは目に見える白血病細胞を退治し、「寛解」の状態にすること。

内容

複数の抗がん剤を組み合わせて点滴します。治療によって一時的に正常な血液細胞も減ってしまうため、無菌室(感染を防ぐためのクリーンな病室)で過ごしていただくことが多くなります。

2. 地固め療法

目的

寛解に入った後も、体の中には顕微鏡では見えないわずかな白血病細胞が隠れています。これを完全に断ち切り、再発を防ぐ(治癒を目指す)ための治療です。

内容

寛解導入療法とは異なる抗がん剤、あるいは同じ薬でも量を調整して、数回のコースに分けて治療を繰り返します。

状況に応じた追加の治療選択肢

患者さんの年齢や体力、白血病細胞のタイプ(遺伝子の特徴など)によっては、上記の化学療法に加えて以下の治療を行うことがあります。当科ではヘムサイト(造血器腫瘍遺伝子パネル検査)を積極的に活用し、診断・同種移植適応を含めた治療法選択・予後予測に活用しています。

同種造血幹細胞移植

再発のリスクが高いと判断された場合などに行われます。強い抗がん剤や放射線で白血病細胞を徹底的に減らした後、健康なドナーの方から提供された造血幹細胞を点滴し、正常な血液を作る力を回復させる治療です。当科における造血幹細胞移植件数は大学病院の中ではトップクラスであり、様々な方法を用いた移植について豊富な経験を持っています。

分子標的薬

近年、がん細胞の増殖に関わる特定分子だけを狙い撃ちする新しい薬が開発されています。患者さんの白血病細胞の遺伝子検査を行い、適合する場合はFLT3阻害薬やIDH1阻害薬を、他の抗がん剤との組み合わせもしくは単独で使用します。

支持療法

抗がん剤治療中は、白血病細胞だけでなく正常な血液細胞も減ってしまうため、感染症にかかりやすくなったり、出血しやすくなったりします。そのため、抗がん剤そのものの治療と同じくらい、副作用や合併症をコントロールする「支持療法」が重要です。

● 感染症の予防と治療
抗生物質や抗真菌薬などを使い、感染から体を守ります。
● 輸血
赤血球や血小板が不足した際には、必要に応じて輸血を行い、貧血や出血を防ぎます。

最後に

急性骨髄性白血病の治療は長期間にわたることもあり、ご本人もご家族も不安を感じることが多いと思います。しかし、医師、看護師、薬剤師などの医療チームが全力でサポートし、患者さん一人ひとりに最適な治療を提供していきます。疑問や不安なことがあれば、いつでも遠慮なく医療スタッフにご相談ください。

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